皮脂の酸化とアクネ菌
アクネ菌は、ブドウ球菌などと並んで皮膚に一番多く存在する菌です。
そして、アクネ菌は脂線から分泌される皮脂を栄養源にして増殖し、酸素のあるところを嫌ういわゆる嫌気性の性質を持っているため、脂線の奥のほうに生息しています。
また、アクネ菌の特徴として、思春期前は菌の数が少ないのに思春期以降になると皮脂の分泌に伴い、急激に増えることがあげられます。
ところで、アクネ菌は皮脂を栄養分として取り込むとき、リバーゼという脂肪分解酵素を分泌します。
このリパーゼが、皮脂を遊離脂肪酸に変えるのです。
なら、アクネ菌を殺せばリパーゼも分泌されなくなり、にきびは予防できるのでしょうか?
しかし、アクネ菌を殺しても、にきびはなくなりません。
ということは、必ずしもアクネ菌が分泌するリバーゼが皮脂酸化の原因ではないのです。
では、皮脂を酸化し、遊離脂肪酸や過酸化脂質に変える真犯人は何なのでしょうか。
科学的にはまだ解明されていないのですが、いくつかの説があるのでご紹介します。
紫外線説・・・紫外線照射によって発生する活性酸素が皮脂を酸化する
酸素説・・・皮脂は遊離脂肪酸を含んでおり、これが常に空気にさらされているから
にきびの主な原因はアクネ菌ですが、アクネ菌は皮膚の表面にポルフィリンという蛍光性の代謝物を排出します。これは人間でいえば、おしっこやウンチのような老廃物です。
このポルフィリンに紫外線が当たると、一重項酸素が発生します。
そして、にきび肌の皮膚から検出されるのも一重項酸素です。このことから、にきびをひきおこす活性酸素はポルフィリンと紫外線から産生される一重項酸素だということです。
つまり、ポルフィリンに紫外線が当たり、発生する大量の活性酸素がにきびの原因になるということです。活性酸素は皮脂の中に含まれるスクワレンという成分を酸化し、過酸化脂質に変えます。